映画は見に行けそうにないので、小説のほうを読むことにしました。
ついでに劇場版2のガイドブックも購入しました。小説のほうでストーリーを知り、ガイドブックでビジュアル面を補う作戦です。
籠城事件て、もっと長々と続くものと想像していましたが、意外と早く終了するんですね。
7年前の事件ですが、そんなに思惑通りに行動してくれるもんなんですかね。まあそうなっちゃったもんはしょうがないですが。
読みやすい文章でしたが、登場人物が多いので途中で誰がどの人か分からなくなってしまいました(私が鳥頭なせいですが)。
そして笑いが少ない。多少コミカル要素を感じられるところは、序盤のほうだけのような。籠城事件発生したら、あとはもうシリアス一辺倒だったような。
緊張感を重視して退屈になったというか。
空気読まずにギャグを入れろと言ってるわけではないのですが、読んでて途中でダレました。
でもこれって脚本に忠実にしているのでしょうから、ノベライズ版を書いた人に責任はないんですよね。
今回のテーマである「正義」について。
何が正しいかとか誰を助けたいかとか、状況によって変わってしまうんですが私の場合。
神戸の感覚が一番しっくりきますね。あと伊丹さん。
なんとなく思い出して、ネットで購入。第2版になってますよ。何気にすごい。一体何事?
表紙がどうとかいう意見を見かけましたが、なんか納得。あと帯に書いてある書店員からの推薦文。
ライトなノリで買っちゃう人多そうだよね。
主人公は超がつくお嬢様で、なおかつ刑事。
しかし謎解きをするのは彼女ではありません。
探偵役は、彼女の家の執事。
主人公から事件のあらましを聞き、そこで謎を解いてみせるという、安楽椅子探偵なんですな。
安楽椅子探偵ものって好きなんですよ。そこに東川ワールドなら、きっとゲラゲラと楽しめるのではないかと期待。
ただ不安要素もあります。自分はどうも、この作者の描く女性が苦手。痛いというか寒いというか。男性キャラクターがこれでもかというくらいヘンだから、女性は常識人にしたほうがバランスも取れそうな。
「探偵は職業で、名探偵は生き方」
自分が探偵役に求めるのは、まさにそれ。
というわけで、この探偵の今後の活躍を見てみたいのですが。この人はこの人で、すぐに飢え死にしそうでもありますが(汗)。
トリック的には「あー、なるほどね」という感じ。白けるほどでもないけど驚愕するほどでもなかったです。
「生存者、一名」は、最初の新聞記事と登場人物を差し引きしたら、生存者がどういう種類の人かすぐ想像がついてしまうのがネック。
で、最後の新聞記事のところで「どっちだよそれ」と、非常にもや~んとした気分にさせられます。
何が驚きどころなのか、イマイチつかめませんでした。
ただ、合間に挟まれる新聞記事のほうは興味深かったです。あの人物はああなったのか、と。
「館という名の楽園で」
このトリックはちょっと苦しくないですか? とも思うのですが。
センチメンタリズム的な面でもちょっと足りない気がしましたし。
まあでも、ここに集められた人たちは、皆良い人だよね、とは素直に思いました。
「夏の雪、冬のサンバ」
楽しくは読めたんですが、誰が主役かも分からないような話というか。ダビデ?
犯人が分からないと俺たちヤバい立場にー、そうだアイツ呼んで解決してもらおうゼ、って感じで呼び出された人に謎を解いてもらう流れには、「キミらもっと自力でなんとかしようとせーよ!」と説教たれたくなりましたw
犯人を捕獲するところは好きかも。
まとめ。
面白かったけど、ちょっともの足りませんでしたかねー。
再読ですが。
はじめから中盤までのあたりは、すごく面白いです。
話の運び方とか登場人物とかがいい感じでした。
金田一耕助は復員してきたばかりで、昔お世話になった磯川警部の生死も分からない。そんなときに警部が生きていたと知って、どわーっと涙を流すところなんか、人として可愛いなあと思いました。
しかし不思議なことに、この話も犯人が誰だったか覚えていませんでした。
ネタバレ回避のために詳しく語ることはできませんが、ああいうことなら誰が犯人と覚えていなくてもしょうがないかな……と、自分的に納得しました。
(単に記憶力がないだけなんですがね)
謎解き部分に関しては、それって後出しじゃん……みたいなところもあったと思いますが。それがなくても、なんだか盛り上がれませんでした。
でも一番の見せ場は、きっと犯人が全ての罪を認めた後の展開ですね。これはひどい、これはむごい、これはあまりにも哀しい。(だがそれがいいーッ!)
そして鵜飼さんには幸せになってほしい……と思います。
あといまさらですが、「[メ欄]じゃがしかたない」のパロ元ってこれだったんですね。
はじまりのほうは覚えているのですが、2番目に殺されるのってハテどの人だったっけ……。というありさま。なさけないw
何が決め手で犯人が分かるのかは覚えていたのですが、誰が犯人だったのかは覚えていない、という。なさけない、非常に情けない!w
この話は、とくにジューナが可愛いですな。実は未読の「ローマ帽子」が気になる……ッ!
その前は「シャム双生児の秘密」を超久々に再読していて、えらく手当たり次第に「お前が犯人だー!」的な決め付けをしまくるエラリイに、軽く幻滅。
昔読んだのが高坊くらいでしたので、たぶんその当時はそれほど「ミステリすれ」していなかった、ということなのでしょう……(苦笑)。
この話で印象に残っていたのは、「私たちは、カニよ!(はぁと)」(←それ暗黒館!)と、山火事の恐ろしさですねー。
クイーンの作品は、実はそれほど多く読んでいません。
その中でどれが一番好きかとあえて言いますと、「Yの殺人」かなー、と。
ストーリーの運びも好きなのです。
最後のレーンさんの行動がよすぎるわ!